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Ethereum Fusaka Fork

2025年12月3日に実装されたEthereumのFusaka Forkは、PeerDASによるシャーディングでデータ処理能力を約8倍向上させ、r1曲線のサポートによりスマホの生体認証署名を直接検証可能にした重要なアップグレードです。[x.com](https://x.com/leo_hio/status/1996357045554237830)

Fusaka Forkの概要

Fusaka Forkは2025年12月3日21:49 UTCにEthereumメインネット上でアクティブ化されたハードフォークで、実行レイヤーの「Osaka」とコンセンサスレイヤーの「Fulu」を組み合わせた大型アップグレードです。[x.com](https://x.com/leo_hio/status/1996357045554237830) epoch 411392で有効化され、EIP-7594(PeerDAS)とEIP-7951(secp256r1プリコンパイル)を含む複数の改善提案を実装しました。

## PeerDASによるシャーディング技術

### データ可用性サンプリングの仕組み

PeerDAS(Peer Data Availability Sampling)は、Reed-Solomon消失符号化を用いてブロブデータを128列に分割し、各ノードがランダムに選択したサブセット(デフォルト8/128列、約1/16のデータ)のみを保存する仕組みです。各ノードは全データをダウンロードすることなく、KZGセル証明を用いて確率的にデータの可用性を検証できます。この方式は51%攻撃に対しても耐性があります。

### スケーラビリティへの影響

PeerDASの実装により、ブロブのデータ可用性容量が初期段階で約8倍増加し、Layer 2のロールアップが利用できるデータスループットが大幅に向上しました。これにより、ブロブ手数料の低減とL2の拡張が促進されます。4096 ETH以上を保有するスーパーノードは全列を保管する役割を担います。

## r1曲線とスマホ生体認証の統合

### secp256r1プリコンパイルの追加

EIP-7951により、secp256r1(P-256 NIST曲線、別名r1曲線)のECDSA署名を検証するP256VERIFYプリコンパイル(アドレス0x100)が追加されました。入力160バイト(ハッシュ + r + s + 公開鍵座標)で、検証成功時は32バイトの1を、失敗時は空を返します。ガスコストは6,900です。

### スマートフォンとの互換性

secp256r1は、Apple Secure Enclave、Android Keystore、FIDO2/WebAuthnなどのスマートフォンハードウェアセキュリティモジュールで標準的に使用されている曲線です。このプリコンパイルにより、iPhoneのFaceID/TouchIDやAndroidの生体認証で生成されたネイティブのECDSA署名を、アプリケーションやハードウェアの変更なしに直接Ethereum上で検証できるようになりました。

これは、モバイルデバイスの既存のセキュリティインフラをブロックチェーン認証に活用できることを意味し、ユーザー体験の大幅な向上につながります。

## コミュニティの反応と展望

### アップグレードの評価

Vitalik Buterinは、PeerDASを2015年以来のシャーディング目標の実現と位置付け、ブロックチェーン設計の根本的な進歩として評価しています。コミュニティでは、L2の成長がEthereumのバリュー獲得と直結する仕組みとして、必須のブロブ手数料によるバーン増加とデフレ圧力の強化が注目されています。

今後の展開

次のステップとして、BPO1(12月9日、ブロブ目標10/最大15)とBPO2(1月7日、目標14/最大21)がEIP-7892により予定されています。ZK-EVMの成熟、レイヤー間の相互運用性、完全なDankshardingへの移行が今後の課題として議論されています。

まとめ

Fusaka Forkは、PeerDASによるシャーディングでEthereumのスケーラビリティを大幅に向上させると同時に、r1曲線のサポートによりモバイルデバイスの生体認証との統合を実現した、技術的・実用的に重要なアップグレードです。L2エコシステムの拡大とユーザーアクセシビリティの改善を両立させ、Ethereumの長期的なスケーリング戦略における基盤となる位置付けとなっています。

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